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いびき・睡眠時無呼吸症

いびきについて

いびきは大きく「単純性いびき症」「上気道抵抗症候群」「睡眠時無呼吸症候群」の3つに分けられます。
いびきが時々少しだけならそこまで気にする必要はありませんが、毎日朝までずっと続いたり強弱があったり仰向けに寝ると大きくなったり呼吸が止まったりするいびきは睡眠時無呼吸症かもしれませんので注意が必要です。
 

●単純性いびき症

いびき症状が主で、無呼吸や低呼吸がなく、途中で目覚めたりすることが少なく日中の眠気がないタイプです。下のような状況のときにだけ起こる一過性のいびきは健康に大きな影響はなく朝起きたときもすっきり目覚めていれば心配ありませんが毎日習慣的にいびきをかいている場合は将来的に病気につながる可能性があるため注意が必要です。睡眠が浅くなると歯ぎしりをして歯がしみたり歯やあごに痛みが出ることがあります。多くの場合原因を取り除くことで解消できます。
・寝はじめ
・お酒を飲んだとき
・疲れたとき
・鼻がつまっているとき

いつもいびきをかいている人は『睡眠呼吸障害』になっていて睡眠時無呼吸症候群上気道抵抗症候群の可能性があります。


 

睡眠呼吸障害について

Sleep Disordered Breathing

睡眠呼吸障害とは、寝ている時にいびきや息が止まったりして呼吸が正常に行われなくなる状態を指します。代表的なものに睡眠時無呼吸症候群上気道抵抗症候群があります。

●睡眠時無呼吸症候群

Sleep Apnea Syndrome (SAS)

特徴 : いつも睡眠中にイビキだけでなく呼吸が何度も停止します。1時間に5回以上10秒以上の無呼吸が発生する場合にSASと診断されることがあります。
原因 : 気道が舌などで閉塞される「閉塞性睡眠時無呼吸」と脳が呼吸指令を出さない「中枢性」に分けられます。閉塞性睡眠時無呼吸の場合は肥満や加齢がリスク要因となることもあり、鼻が悪かったり唇の力が弱く口を開けて寝る場合や舌が弱かったり大きい場合も睡眠中に気道が塞がり呼吸が止まることがあります。
症状 : 日中の過度の眠気、疲労感、集中力の低下、朝の頭痛、歯ぎしり、歯がしみたり痛む、顎の痛み、夜間の頻尿などがあります。

●上気道抵抗症候群

Upper Airway Resistance Syndrome (UARS)

 特徴 : 無呼吸にまではならないけど上気道が狭くなることで習慣的にイビキをかいたりして呼吸が妨げられ睡眠の質が低下します。
 原因 : 風邪やアレルギー性鼻炎、鼻中隔弯曲などが原因で鼻で息ができず口を開けて寝ることで起こることが多いです。
 症状 : 日中の眠気や疲労感、頭痛、口乾き,歯ぎしり、歯がしみたり痛む、顎の痛みなど。

治療法

生活習慣の改善 : 減量、アルコールやタバコの制限、睡眠環境の改善など。
鼻の治療 : 鼻炎など鼻の治療をして口を閉じて寝られるようにします→耳鼻咽喉科を紹介します。鼻うがいも効果的です。
CPAP(持続陽圧呼吸療法): 主にSASの治療に用いられる装置で空気を送り込み気道を開いたままに保つために使用されます→耳鼻咽喉科を紹介します。
口腔内装置 : 下顎を前方に固定することで気道を広げる装置(マウスピース)を歯につけて寝ます→当院で型をとって作ります。口唇や舌のトレーニングも行います。
外科手術 : 気道を広げるための手術が行われることもあります→耳鼻咽喉科を紹介します。

 

治療の流れ

●歯ぎしりの検査

 
いびきや睡眠時の無呼吸などで眠りが浅くなると、寝返りをしたり、夢を見たり、夜中に目覚めてトイレに行ったり、歯ぎしりや食いしばりをすることが多くなり歯がしみたり歯や顎が痛くなったりします。虫歯が原因ではなく歯ぎしりが原因と考えられる場合には睡眠時に検査用の小型の装置を頬に着けて歯ぎしりの検査をすると歯ぎしりの数や強さが簡単にわかります。歯ぎしりの数が多くいびきや昼間の眠気などがある場合には睡眠時無呼吸症との関連が考えられますので耳鼻咽喉科でいびきや睡眠時無呼吸の簡易検査を受けていただきます。

閉塞性睡眠時無呼吸のスクリーニング

いびきや疲労感など閉塞性睡眠時無呼吸のリスクを調べるため8つの質問を確認していただきます。YES が3つ以上のかたは中等症以上の睡眠時無呼吸症の可能性大ですので耳鼻咽喉科で簡易無呼吸検査を受けていただくことをおすすめします。


眠気テスト


昼間の眠気の度合いで睡眠時無呼吸の可能性がわかります。合計11点以上のかたは睡眠時無呼吸の可能性大ですので耳鼻咽喉科で簡易無呼吸検査を受けていただくことをおすすめします。

●気道の分析


いびきや睡眠時無呼吸の自覚がある場合や上記の検査や眠気テストで数値が高い場合、内科や耳鼻咽喉科から睡眠時無呼吸症候群の治療用マウスピースの作製依頼を受けた場合にはX線CTの気道分析を行います。気道の形や大きさの分析を立体的に行えます。下顎の位置や舌の大きさや位置、口の中の広さも関係します。

耳鼻咽喉科での睡眠時無呼吸検査


耳鼻咽喉科で貸し出された簡易無呼吸検査装置をご自宅で寝る時につけて測ってもらいます。その検査結果で医師が無呼吸症か診断されます。
軽度から中等度の場合は歯科で下顎を前に出して作ったマウスピース[オーラルアプライアンス(OA)の下顎前方牽引装置( MAD )]を着けて寝てもらいます。
重度の場合は耳鼻咽喉科で、酸素マスクで空気を送り込む持続的陽圧換気(CPAP)を使用した治療となります。

●医師による睡眠時無呼吸の診断


重度のいびきなどが原因の閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)の治療は、日本の公的医療保険制度では医科と連携して検査·治療を行うことになっています。医師の診断書とマウスピース作製依頼があれば歯科医院で保険で治療用マウスピースを作製することができます。

●CPAPでの治療


持続的陽圧換気(CPAP)が適用とされるのは自宅などで行う簡易無呼吸検査(検査施設外睡眠検査)で無呼吸低呼吸指数( AHI ) が40以上,または病院などの検査施設に泊まって精密検査する睡眠ポリグラフ検査でAHIが20以上を認めた場合です。CPAPは耳鼻咽喉科など医科での治療となります。

●AHIについて


AHIとは無呼吸低呼吸指数のことで1時間あたりの無呼吸低呼吸の回数を表します。
1時間あたり5回以上の無呼吸·低呼吸があり自覚症状があるとOSAと診断されます。また、1時間あたり15回以上の無呼吸·低呼吸があると自覚症状がなくてもOSAと診断されます。


●マウスピースでの治療


マウスピースなどのオーラルアプライアンス(OA)の下顎前方牽引装置( MAD )での治療が適応されるのは病院などに泊まって検査する睡眠ポリグラフ検査もしくは自宅などで行う簡易苦呼吸検査(検査施設外睡眠検査)でAHIが5以上の場合です。MADによるOA の治療と併用して減量指導や睡眠衛生指導も行うことができます。

●AHIが低い場合

AHIが5未満の場合は単純性いびき症、上気道抵抗症候群と診断されマウスピースなどのMAD(下顎前方牽引装置治療)を使用した治療は保険が適用されず自費治療となります。その際には減量指導や睡眠衛生指導の併用も行うことがあります。

治療用口腔内装置

固定式マウスピース(保険適応)

上の歯と下の歯を固定する上下一体型のマウスピースです。寝ている時にいびきをかきにくいように下の顎を少し前に出して作ります。簡単に早く安くできるのが利点ですが、上下が一体型のため口で呼吸が難しく話しにくく装着したまま飲み物が飲めません。作製後の調整が困難なのと上下の歯が固定されるので歯や顎に痛みが出やすいことが欠点です。(約10,000円)

分離型マウスピース(自費)

上の歯と下の歯のマウスピースが別々で上下が分かれているマウスピースです。寝ている時にいびきをかきにくいように下の顎を少し前に出して作ります。下の顎が後ろに下がらないようにストッパーがついています。ドイツで作るので時間とコストがかかるのが欠点ですが、上下が分かれているため話したり飲み物を飲んだり、鼻が詰まっていても口で息ができたり、前後の位置の調整ができ、顎に痛みが出にくいのが利点です。(220,000円)

お電話でのお問合わせ・ご予約
0964-32-1778

診療時間
月曜〜土曜  9:30-13:00 / 14:30〜18:00
日曜・祝日 休診
研修会やセミナー開催のため、水曜日の午後または土曜日に休診することがあります。
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